腰痛治療で骨盤矯正をすすめる整体院があります。
私も骨盤の調整は大切だと思います。
ポイント1で説明したように脊柱を支える骨盤ですから、その土台も当然のように調整は必要です。
ですが、それ以外も重要な原因があります。
骨盤以外も頭蓋・胸郭・内臓・血管・神経・足底など全身の歪みを調整しないといけません。
せっかく骨盤を正しく調整しても、骨盤を支える下肢が不均等だったら、また骨盤のバランスが悪くなります。

人間は二足歩行の動物です。常に前後左右にバランスを取りながら生活しています。
前ページで述べたように重力が人体に大きな影響を与えます。
脊柱の歪みは骨盤だけでしょうか？

上の写真のような骨盤矯正をイメージしたり、実際の施術を受けた方が多いはず。
骨盤矯正は力でもってズレを治す・矯正をすると言った施術は大間違いです。
骨盤の歪みは95％は骨が勝手に歪んでるのではないですから、骨自体を押したり引っ張たりしてもなんの効果もありません。
「効果があった！」なんて言う人は、何かの勘違いだと思います。

骨盤矯正で重要なのは骨盤腔臓器や、その部位を流れる血管・間膜・神経などの内側にあります。
骨盤の歪みは、それらの組織や器官が捻じれを生じて骨盤を引っ張りこんでいます。
ですから身体の外から押しても意味がないのです。

治療は腹部のアプローチから行うことが多いです。
脊柱の一次湾曲が重要とお話ししましたが、内臓器は基本脊柱の前面からぶら下がっています。
脊柱が背面凸状態なら内臓器が下に引っ張られていることが多いです。
ですから、背中を反らすと内臓器が伸長され痛みが発生します。
さらにお辞儀をするように屈曲を強めると腹部の血管が圧迫され血流障害で痛みが発生します。
今、あなたの腰痛の痛みはどうですか？

「腰痛は内臓が原因？」「血行不良で腰痛が？」と疑問をお持ちの方。
そう思われるのは仕方ないと思います。
ですが、これがあなたの痛みの原因なのです。
現にこの治療で改善しているので、私は自信を持ってお伝えしています。
中にはそうでないケースもあります。
すべてがそうだとは言いませんが、これまで「治療してきたけど改善出来なかった」という方は、高い確率でこんな原因が潜んでいます。

一度お近くの書店やネットで解剖学書を検索してみてください。
身体について知識のない方には想像もしない構造をしており、意外と内臓器と筋肉が密接していることがわかります。
密接部位の筋肉は、原因となる臓器の感覚神経が混同している箇所もあり、関連痛を発症していることもあります。

人体は不思議で繊細です。
数多くの組織や器官が集合して調和を保って活動しています。
そのどこか一カ所が不調をきたすと、連鎖して不調を起こしていき、その不調が行き詰まった先が慢性痛に発展していきます。
その繊細な反応を読み解き、治療すれば慢性痛は改善するでしょう。