院長の施術ブログ

マッサージやリハビリでは動的な手技をよく目にします。
私の施術はどちらかというと静的な手技がメインです。
皆さんから見たら"ただ手を当てているだけ"にみてるかもしれません。
ですが、私の感覚では手を当てている先ではメチャメチャ動かしています。
じゃぁ、どう動かしているのか？

慢性痛の症状は、筋肉や関節が原因で痛みが出ているのではありません。
慢性痛の原因のほとんどはそれ以外に原因があります。

まずは触診です。
触診では患者さんの背部から背中を軽く押します。何も異常が無ければ背骨が柔らかくしなります。異常があれば背骨は硬くしなりがありません。
中には押した力で痛みを感じたり猫背になっています。

脊柱は身体を支える大黒柱です。その大黒柱が歪んでいた場合、身体は何らかのサインを出します。それが慢性痛です。
 

まずは脊柱の硬がある場合、それは脊柱が硬いのではなく、その周りの組織に何かの異常があります。
よく見られるケースは横隔膜にあります。
横隔膜は胸部と腹部を分ける壁になっています。上方凸のテント状の隔膜です。脊柱の胸腰移行部、脊柱前面にあり、背部から押しても横隔膜がつっかえになって、脊柱のしなりを妨害しています。

横隔膜は重要な隔壁で、呼吸機能だけの機関ではありません。
横隔膜の解剖図を見れば一目瞭然、上部には心臓・肺があり、下部には肝臓・胃・脾臓・腎臓があります。
それ以外にも横隔膜の壁は血管・神経が通り抜けています。
このような構造が何かの妨げがある時、慢性痛が発生します。

手の感覚についてよく聞かれることがあります。
「組織や臓器の動き、感覚ってどんな感触ですか？」
患者さんの身体に両手を当て身体に軽く押し当てると、その押し当てた圧が波及していくのがわかります。
頭の中で身体の解剖図と照らし合わせ、その圧が各組織に鮮明にレイアウトされていきます。
ただ感じているだけではなく、解剖の知識とその波及していく力のベクトルがあっての触診を行っています。その力のベクトルが行き詰まる箇所には何かしらの症状の原因があると認識できます。

コンタクトしてる時の身体の組織の感触は、とても柔らかく繊細で弾力があるように感じます。
例えるなら、温かい少し硬めの豆腐のようで、柔らかめのコンニャクのような弾力。
多分、生きた身体の臓器を触ったらこんな風なんだろうなと想像がされます。

各臓器や組織で若干の硬さや弾力は違いますが、何か異常や症状の原因となっている箇所は、硬くなり弾力が感じられません。

探し出した身体の原因箇所を改善させる方法は、身体本来の治癒力を最大限引き出してあげれば自然と正常化していきます。

触診で突き止めた原因箇所に、ゆっくりと圧を持続してあげると身体は反応します。
組織が変調した箇所は血流が滞り酸欠状態になっています。その箇所に圧をかけると組織が反応し再生します。
話を聞くと疑い深い内容ですが、これまで多くの患者さんが改善している事実ですから間違いではありません。

身体は繊細で不思議です。
技術が進歩した画像や検査機器ですら検出できない異常は数多くあります。
そして繰り返す慢性痛は発揮しとした原因がわかっていない事実はココにあります。
そして、このような原因がわかり、その症状を自分で治すことが出来る能力を秘めています。