海外からの施術依頼
先月ですが、ある一本の電話がかかってきました。
電話の番号通知は4桁の怪しい電話番号。
出てみると「国際電話でかけてます。」と言われ、「〇月の〇日にオステオパシーの施術をお願いしたい。」と依頼されました。詳しくはヨーロッパのある国のアーティスト(S氏)が来日し、金沢での仕事の前に施術を受けたいとの内容でした。最初は悪戯かな?と思いましたが 興味もあったし、スケジュールも空いてたのでOKしました。
メールでのやり取りを希望されたので、アドレスを伝えて、連絡を待ちました。
しばらく連絡が来ないところから「やっぱり悪戯かな?」と忘れかけていたところに返事がきました。やっぱり本当だったんだ・・・・。
メールの交換で分かったことは、その方はヨーロッパ人の世界的オステオパシーの有名な先生(B先生)の施術を長年受けている患者さんだってことわかり、私に緊張と不安が走りました。何が不安かって?それは超有名先生の施術を受けている患者さんで、圧倒的実力の違いがあり 効果に満足できないのでは? お断りしようかと思いましたが、本人が「ぜひ、お願いしたい!」と希望され、私も一度引き受けた以上覚悟を決めお引き受けしました。これも自分の挑戦だと思いました。
そんな有名な先生に勝とうとは思いもしませんが、考えてみればS氏はB先生の施術を十数年受けているけど、未だに満足いく結果が出ていない。自分が施術してもし良い兆候が見られたら今後の勉強になるのでは?と思うとやる気が出て、責任をもって取り組みたいと思えるようになりました。
S氏とのやり取りの結果、一週間の滞在期間の間 三日間の時間を作り施術することとなりなした。事前の情報を頂いたことを参考に施術プランを立て、オステオパシーを一緒に勉強している先生方にもアドバイスをいただき当日を迎えました。
アメリカやヨーロッパではオステオパシーは医療として認知されていますが、まだ日本ではマイナーなオステオパシー。S氏とあいさつをしコミ二ケーションした後、では始めましょうと言ったら上着をサッと脱がれました。海外では男性でも女性でも下着姿で施術を行うってことは聞いていましたが、まさか‼と目のあたりにして一瞬驚かされました。日本では何かと問題になるので 私は患者さんには服を着て施術を行っています。
「すみません、上着は脱がなくて結構です・・・。」
S氏はキョトンとした顔で「あっ、そう・・・?」
施術が始まり、最初の10分ぐらいは内容が手につきませんでした。それは想像以上にS氏の身体の状態が悪かったからです。流石に長年施術を受けているだけあり、今どこをアプローチしているか膜の感覚がわかるみたいで「今○○あたりをしてるの?」なんて質問をしてきます。大体当たっているので驚きでした。本人の希望もあり使えないテクニックもありましたが できる限りのことはできたと思います。私の行うテクニックで今までされたことない部位を施術するところもあり「そのテクニック、すごく良いですね。」なんて褒められる場面もありました。
無事三日間の施術が終わり、私もS氏の招待を受けてコンサートに行ってきました。素晴らしい演奏でした。コンサート終わりにあいさつに行ったら、S氏に満足そうな笑顔でハグされ この依頼を受けて本当に良かったと思い、私自身も良い勉強になりました。
施術者は患者さんがいて自分を成長させてくれる。
これからも 日々来院される全ての患者さんに感謝の気持ちを忘れずに、より良い施術ができるよう頑張りたいと思います。